海外の小説のおすすめ、話題の新作から読むべき名作・面白い傑作のまとめ

造物主の掟

「造物主の掟」は、ジェイムズ・P・ホーガンのSFで、1983年に発表されました。

遠い昔、宇宙人による資源収集用の無人の宇宙船がタイタンに到着し、中に積み込まれていたロボットがプログラム通りに資源収集作業を開始した。がプログラムに異常が生じ、ロボットたちは自分で考えるようになり、地球の中世のような文明を作り上げていった。タイタンに生命がいるらしいことを知ったアメリカとヨーロッパは調査隊を派遣する。そこには有名な心霊術師であるカール・ザンベンドルフも加わっていた。

ロボット側にとっても、異星人(地球人)とのファーストコンタクトであるが、機械生命であるロボット側から見れは、人間の体は異様に見え、また科学が中世レベルのロボット側から見れば、地球人はまるで神のように見えるところの描写が面白い。その上、人(知的生命)の心を知り尽くした心霊術師のザンベンドルフが神っぽくふるまうのだからさらに面白い。

その女アレックス

「その女アレックス」は、フランスのピエール・ルメートル作のミステリーで、2011年に発表されました。

30歳前後の美人であるアレックスはパリを歩いている時に突然誘拐されてしまう。そして狭い檻の中に監禁されてしまう。そしてこの誘拐事件の捜査を担当するのがカミーユ警部である。物語はアレックスの視点とカミーユの視点で交互に展開されていきます。

本作品はカミーユ・ヴェルーヴェン警部が活躍する「悲しみのイレーヌ」に続く2作目です。「このミステリーがすごい!」ランキングの海外編1位にも選ばれました。

創世記機械

「創世記機械」は、ジェイムズ・P・ホーガンのSFで、1978年に発表されました。

ブラッドリー・クロフォードは統一場理論の研究を専門とする若き天才科学者である。研究を進めていくうちに、この理論を応用すれば、宇宙のエネルギーを自由に操り、利用することができる可能性があることがわかった。つまり究極の兵器を作ることも可能になるのだ。そこに目を付けた軍部(国家)との間に軋轢が生じ始める。

未だに本質が分からない重力の謎をSF的に解釈している部分が面白く、自由なクリフォードと杓子定規な政府の役人とのやりとりも、発想とは何かを考えさせられて面白い。それと核もそうだが、科学と軍事について考えさせられる。本作品は1982年の「星雲賞」の受賞作です。